イベントレポート

次の100年のために巡り続ける仕組みづくりを

今日参加した土佐山アカデミーの巡回プログラムトークセッションでのお話です。ナビゲーターは土佐山アカデミーの林さん。ゲストはStudio Kura松崎さんでした。

ゲスト松崎さんは”倉”を活かして美術作品の制作、レジデンスや絵画教室などを行うStudio Kuraを運営されている方。松崎さんが中心となって活動されている「糸島芸農」のプロジェクトが始まった背景や紹介だけでなく、抱える課題や地域との関わり方なども率直にうかがうことができました。

そして、この4月にスタートする、高知県土佐山地域をフィールドに自然と調和した暮らしのあり方を学び、実践する滞在型プログラムについての紹介も。

興味深いのは11あるそのテーマ。

「住」というテーマでは住みかを実際に作れるようになろうと家づくりを実践し、「農」では在来種、固定種という”種”から食の未来を考えたり。 「ナリワイ」というテーマは、昨年アナバナの対談でおいでいただいた伊藤さんが担当をされていて、暮らしから見つける仕事の姿についてなどを学びます。
プログラムには地域の人たちも伝える側として加わり「日々の暮らしそのものに入り込んで学ぶ3ヶ月」といった感じ。
土佐山は明治の自由民権運動が発起した地域ともいわれており、古くは宿場町としても利用されていたそう。また、土佐山鏡川源流域は20年ほど前から有機農業を実践している地域でもある。そういう”地域の背景”もあってか、外から学びに来る受講者に対しても、このプロジェクト自体にも、地元の人たちに”よそ者”という見方はほとんどないのだそう。
「土佐山アカデミーはインターフェイスだけをつくるだけ。土佐山の自然に触れ、感じ、何を生み出せるかは参加される各々に委ねます」という林さんのお話。

100年後って、自分はもうこの世にいないけど、孫がいたら立派に社会にでている頃。
林さんがおっしゃるように20年先のことしか見てない”地域活性”って、なんだか無意味に聞こえてくる。土佐山アカデミーは、そんな風にあたり前だけど拾いきれていない日々の歪みを気づかせてくれる場でもあるのかも。
都会とか田舎とか、ローカルとか二分して考えるのでなく、身近にあるもの、地域や人、文化、食をどう活かしてどう暮らしにつなげるか。そんなことをもっと丁寧に掘り起こしていくと、また違うものさしで計れる豊かさが生まれるのかも、と改めて感じる時間でした。

そうそう、この春期滞在型プログラムは一部だけ参加することも可能なのだそうですよ。

いろいろ行かなくてはいけない理由を考えて、1週間くらい参加してみたい。

(文 / 曽我)

 

お知らせ
■Studio Kuraで2月23日に開かれるワークショップ
写真家Tess Kelly氏によるクリエイティブ・フォトグラフィー・ワークショップがあるそうです。
興味のある方はぜひ!


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