インタビュー

佐賀の農作物を世界に! 加工品会社「Saga story」の高橋さんを訪ねました。

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こんにちは。ライターの寺尾です。
先日、皿の上の九州や穴バーでもご一緒した、佐賀県のトマト農家・永尾真治さんにお会いした際に、「僕が注目している佐賀の加工会社さんがあるからぜひ行ってみてください!」とおすすめくださった『Saga story 』さん。なんでも佐賀県の農産品を使った加工品作りに力を入れてらっしゃるそう。まずはお話を伺いたいと、さっそくおじゃましてきました。熱心に語ってくださったその取り組みについて、ご紹介します!

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ご担当の高橋さんと待ち合わせたのは、佐賀市のレストラン『KUREHA』でした。予約がなかなかとれないレストランとしても、注目を集めるこちら、一歩足を踏み入れると、そこは山の中にひっそりと佇む古民家に来たかのような、ゆったりとした空間が広がっておりました。窓からは嘉瀬川の流れを感じながら、季節ごとにうつろう自然がおもてなしをしてくれます。この素敵なレストランと、Saga storyさん…一体どんな関係が…?

佐賀の野菜に対する思い

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お話をうかがった、株式会社Saga storyの高橋亮子さんは、佐賀県出身で大学卒業後、関東で就職。その時に、九州との食文化の違いを痛感したのだといいます。「野菜の鮮度はもちろん、お餅の形状や醤油の違いなど…いうなれば些細な違い。でも何かひっかかったんです。」
その後、地元佐賀に戻って来てからは、直売所の店長として奮闘する日々を送ります。「本当においしい野菜を、そして農家さんの思いを1人でも多くの方に届けたい。」そんなまっすぐな思いを抱えて懸命に働いていた高橋さん。天真爛漫なお人柄も手伝って、営業成績は右肩上がり。そのうち、小さな直営所だけではまかない切れず、近隣の直営所にも仕事を割り振り、それを統括するような役割を担うようになります。その結果、3年間で売上を3倍にまで伸ばし、農林水産祭の「むらづくり部門」で天皇杯を受賞するほどの業績に貢献されました。

やりたいことを形に

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その後高橋さんは「農家さんが作る素晴らしい食材を、1人でも多くの方に広めるお手伝いがしたい」との思いで独立。コンサルティング業を経て、2017年に『山カフェレストランKUREHA』のオーナー・大曲健二さんと株式会社Saga storyを設立します。Saga storyは佐賀の農家を発掘するだけではなく、生産している野菜や果物をKUREHAのメニューに取り入れたり、スープやピクルスなどに加工・販売を行っている会社です。「私は農家ではないので、いち消費者の視点から農家さんを厳選し、コミュニケーションを取りながら、どのような加工品に仕上げればいいのか、またKUREHAではどんなメニューに取り入れられるのかを考えています」と、髙橋さん。また、佐賀県多久市の伝統野菜・桐岡ナスや、女山大根などの佐賀の美味しい食材をもっと九州の人に食べてほしいという思いから、「いつかは“商品”よりも“農家さん”を覚えてもらえるような、そんな商品を世に送り出していきたい」と話してくれました。KUREHAのメニューはまさに生もの。シーズンごとに考案されているメニューは、高橋さんご自身が農家さんを巡り、生育状況や味などを確認して、使用する作物を決定しているのだといいます。「予約が取れないお店」、KUREHAがそういわれているのは、そんな髙橋さんの熱意がしっかりとお客さんに伝わっている証拠なのかもしれません。

ふるさとの味を全国で

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実は、Saga storyの加工品の一部も、KUREHAのキッチンで生まれているのだといいます。「おかげ様でたくさんご注文をいただくようになり、工場とキッチンで分担して作業を行っています。野菜や果物など、素材そのものの味が抜群にいいので、味付けはいたってシンプルに仕上げています。」見た目のパッケージのかわいさから、お中元や、贈り物として購入される方が多いのだそう。

実はその贈り物にぴったりなパッケージこそ、加工品会社を立ち上げた高橋さんの思いが反映されているのです。「私が関東に出て食文化の違いを感じたように、地元を離れてもふるさとの作物の味って心のどこかに残っているんです。けれど、野菜や果物を遠方に届けようと思っても、輸送費がかかるだけではなく、鮮度もどんどん落ちていってしまいます。だから、1番おいしい状態で加工し、それをだれかに届ける。または忙しくてなかなか時間が取れないという方にも、自分のためのちょっとした“贅沢”に使ってもらえるような、そんな商品として成長していけたらぜひ購入してもらいたいと思っています。」

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旬のおいしさと愛情がこれでもか!というくらいたっぷりと詰まった加工品や、メニュー、おいしくないわけがないですよね。高橋さんは「いいものを作っていたら、いつか必ず世界に出ることができると思っています!」といいます。Saga storyはまだ始まったばかり。これからどんな物語を紡いでいくのか、とても楽しみです。


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