巨峰ぶどうの発祥地といわれる久留米市の田主丸。この町で100年以上続くという老舗の菓子店「丸屋」さんが、なんでもユニークな巨峰のお菓子を販売していると聞いて行って参りました。
お店を切り盛りされているのは、笑顔あふれる藤吉香代さんです(年齢は秘密)。巨峰のお菓子をたずねると、さっそくおすすめしてくださったのが、その名も「巨峰ふ〜ちん」です。
ちょこんとかわいらしい見た目の中にも、あふれんばかりの存在感です。「ふ〜ちん」とは、掛け軸が動かないように使われる丸い形の重し「風鎮」のこと。透き通るような紫色はもちろん天然の色。皮ごとしぼった巨峰の果汁を本葛で固めて、巨峰の実をまるごと包んだお菓子です。
すっきりと甘い巨峰の香りと、口いっぱいに広がる新鮮な果汁。その食感は、ゼリーでもなく葛饅頭でもない、洋菓子でもなく和菓子でもない、まさに丸屋のオリジナル。凍らせてシャーベットのように食べてもいいし、解凍してプルプルといただくもよし。秋のおやつの時間にもぴったりです。
この「巨峰ふ〜ちん」が生まれたのは21年前。巨峰ぶどうの生産が豊富なこの地で、見栄えが悪くて出荷できない巨峰をどうにかできないかと観光協会から相談を受けた香代さんが、さまざまな試作の末に誕生。今や、丸屋の名物「ブランデーケーキ」に並ぶ人気商品になっています。
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店名で「フランスケーキ」と謳うほどの丸屋さんは、今でこそ、「チョコレッタ・モカ」や「しょこら」など、いろいろなケーキを製造・販売していますが、開店から戦後まもなくまで、洋菓子を製造・販売している店はきわめて希少だったとか。そんな時代に香代さんは、女性としては九州で初めて洋菓子製造の職業訓練を受け、指導員の資格を取得。若い頃は毎週のように福岡県内の菓子屋をまわり、洋菓子の作り方を教えて回ったという九州洋菓子のパイオニア的存在です。
洋菓子の作り手として、その技を惜しむことなく提供してきた香代さんだからこそ、型にしばられることなく独創的なアイデアがあふれ出すのかもしれません。そんな香代さんが考案したオリジナル菓子「巨峰ふ〜ちん」は、年中製造されていて、いつでも食べることができます。皆さんも是非ご賞味あれ!
(堀尾真理)
店舗情報
田主丸菓子店 丸屋
福岡県久留米市田主丸町田主丸708
(0943)-72-2635
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