女の子の大事なもの

熊本県 人吉市花手箱

大事なものをお気に入りの箱にしまっておきたい気持ちは、昔も今も変わらない女の子の習性なのかもしれません。人吉に伝わる花手箱。平安時代に都落ちした平家の人々が、京の暮らしをなつかしんで作ったのが始まりと言われています。人吉で行われるえびす市では、露店に並ぶ花手箱を女の子へのおみやげとして買って帰るのが習わしでした。一時は廃れようとしたこの郷土玩具は、初代住岡喜太郎さんが復興、現在は二代目の忠嘉さんが受け継ぎ、家族で製作されています。椿の花をあしらった鮮やかな色づかいの木箱は、それ自体が宝物と呼べそうです。大人になっても大切なものを入れる箱、入り用ですもの。みなさんは木箱にどんなものをしまいますか？